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2006年6月17日 (土)

「世界悪女物語」

澁澤龍彦「世界悪女物語」桃源社

エリザベス女王とメアリ・スチュアートについて書いてあったはずだと思い出し、読んでみました。
この手の本の中では古典ともいうべき、最高の物でしょう。
澁澤氏ならではの知識を背景に縦横に語り、有名な女性の実像に迫って濃厚で妖艶な雰囲気をたたえつつ、所々にこれは伝説で事実ではなさそうという冷静なコメントも添えて、品格があります。

取り上げられているのはルクレチア・ボルジア、エルゼベエト・バートリ、ブランヴィリエ侯爵夫人、エリザベス女王、メアリ・スチュアート、カトリーヌ・ド・メディチ、マリー・アントワネット、アグリッピナ、クレオパトラ、フレデゴンドとブリュヌオー、則天武后、マグダ・ゲッペルス。

ルクレチアについては本人は悪女とは言えないとのこと。確かにそうですねえ。
バートリは稀代の犯罪者ですが…
エリザベス女王は苦難を乗り越えて特異な政治スタイルを築き上げた、面白い人間像ですね。まわりの男性を夢中にさせておかないと気がすまないような所があり、宮廷の男性からの熱烈な恋文がたくさん残っているとか。
ケイト・ブランシェットの映画も良かったけれど。

男性に競争させて、決して権力は明け渡さなかった賢いエリザベスとは対照的に、メアリ・スチュアートは恋に身を滅ぼします。余りに一途で愚かなので、男性としてはほだされてしまうお気持ちのようです。

フレデゴンドとブリュヌオーなどはあまり知られていない所でやはり面白かったです。ゲルマン的たくましさというか~猛烈です。
則天武后は何年か前に中国でドラマ化されたのをBSでやっていて、これが面白かったんですよ。猛女には違いありませんが…皇帝が頼りにならなかったんですよね。

日本の悪女は粒が小さくて残念ながら取り上げられなかったとのこと。
アグリッピナみたいのはいない方が良いので、まあ大和撫子なのも悪くはないかな…
北条政子や淀君なんか、どうでしょう?

うちにあるのは昭和53年発行の、ムードたっぷりの黒い本です。ひととき浮き世を忘れて澁澤氏の世界に入り込みました。
箱には金字でタイトルが入っていて、中の本は黒い絹のような布張り、背表紙のみに青でタイトルが入っているという凝りよう。装丁は箱の絵も描いている金子國義。

河出と文春から文庫になって出ているようです。その方が手に入りやすいでしょう。画像もあるので、河出の渋沢竜彦の方を左サイドに上げておきますね。

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