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2006年6月12日 (月)

「白薔薇と鎖」

ポール・ドハティ「白薔薇と鎖」ハヤカワ・ポケット・ミステリ

ヘンリー8世とエリザベス1世の時代を生き抜いた快男児ロジャー・シャロットの回想という形で語られる、連続殺人事件をめぐる歴史ミステリ。
ロジャーの主人ベンジャミンは枢機卿ウルジーの甥で、色々な任務を与えられますが何故かことごとく失敗、実はロジャーのちょっかいが原因のことも多いのですが~ロジャー無しではいられぬという友情を抱いている間柄。

ヨーク家のリチャード3世が敗れてテューダー朝になって2代目、若き日のヘンリーは英明と期待された王でした。(晩年は違うんですね)
ベンジャミンが話を聞き出すよう命じられていた証人が、謎の詩を残してロンドン塔の密室で殺されます。当時のロンドン塔はまだ牢獄ではなく宮殿の一つ。死体のそばに置かれていた白薔薇はヨーク家の印で、ヨーク家の残党が関係したかとも疑われます。

ヘンリー8世の姉マーガレットはスコットランドに嫁いだものの夫と仲が悪く、夫の死後も国には戻らず、各地を転々としている有様。
登場人物の関係は入り組んでいて、背景も知らないため話がわかりにくいのですが~マーガレットの悪評は事実だったそうです…
メアリー・スチュワートの曾祖母に当たるそうで、この辺から始まっているのねと興味深かったです。

ロジャーは隙あらば自分の取り分を余計にちょろまかそうとばかり考えている小悪党だが、それ以上の悪気はない。もともと幼馴染みでもあった主人のベンジャミンは対照的におっとりと誠実、坊ちゃん育ちに見えて底が深い。このベンジャミンに対してだけは忠実で良き友でありました。
シェイクスピアの同時代人というわけで、アイデアをやったという話も何度も出てきます。
90になってもあらゆる欲が衰えないロジャー爺さん、ほら混じりに威勢良く喋る口調で書かれているのがやや読みにくいですが、内容も時代色たっぷりで現代とはかけ離れているので、それがまた合ってることは合ってます。

ドハティはもと歴史教師の校長先生で既に50冊近い著作がある作家。こんな先生なら面白い授業だったでしょうね~。

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