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2006年5月17日 (水)

「手紙と秘密」

キャロリン・G・ハート「手紙と秘密」ハヤカワ・ミステリ文庫

女性ジャーナリストとして成功して既に高齢になったグレッチェンの所に、故郷から一通の手紙が舞い込みます。少女時代の事件を思い出させる手紙が…

時は第二次世界大戦中の1944年夏、オクラホマの田舎町。
男性が出征して人手不足になったため、13歳のグレッチェンは少女新聞記者として働き始めました。
祖母のレストランは街道沿いで一番の美味しいものを食べさせる店でしたが、ドイツ訛りのある祖母はもう客の相手はしなくなっていた…
女性達はぱりっとした木綿のワンピースに身を包み、掃除の行き届いた家もそうでない家もある、ありありと目に浮かぶようなリアリティがありながらその光景はノスタルジックでどこか切ないものがあります。

幼馴染みのバーブの母フェイが殺され、軍から休暇で戻っていたバーブの父が指名手配されるという事態に。フェイが不倫していたためという噂が広まります。
絵の才能があったフェイの実像を描こうとグレッチェンは勇気をふるって記事にしますが、ふしだら女の肩を持ったと白い目で見られることになってしまいます。
バーブとその父を懸命に気遣うグレッチェンでしたが…純真な少女の闘いと意外な事件の顛末、ほろ苦いその後を描いて余韻のある物語です。

ハートはコージー系の作品を書いてきた作家ですが、この作品はコージー系にとどまらず、ミステリファンでなくとも小説が好きなら読める質とレベルです。
アメリカ南部というのは意外と文学の土壌になっていますね。ちらっとヌママムシの名も出てきて、少年時代を描いたランズデールの「ボトムズ」を思い出しました。少年時代を描いた小説は多いので、少女時代を書いた物もここらで出て良い所だったかな?
グレッチェンは作者とほぼ同年代(少し上)のようです。
「ハルカ・エイティ」も「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」も「悪女パズル」も第二次大戦が出てきて、全然違うタイプの話ですが、世界の各地でこんな事が起こっていたかも知れない…とふと思いを馳せました。

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