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2006年5月20日 (土)

「ミスティック・リバー」

デニス・ルヘイン「ミスティック・リバー」早川書房

レヘイン名義のは読んでいたのですが、突然ルヘインと表記の変わったこちらは読み逃していました。
映画化されたので、一番有名なんじゃないかと思います~。

レヘイン名義のパトリックとアンジーのシリーズはハードボイルド系で、事件はハードで次々に危機に見舞われる話なのですが、エンターテインメント性が強いもの。
犯罪多発地帯に育った幼馴染みの二人が彼ら流の正義感を貫いて、傷つきながらも、カッコ良く生きていく物語でした。
ルヘイン名義第一作のこちらはぐっとシリアスで、筆力と冷静なまなざしが光ります。

幼馴染みのショーン、ジミー、デイヴ。
同じ町でも中流家庭のショーンと、スラム街に住むジミーとデイヴには差がありました。その違いが決定的になりかけたある日、路上でケンカしている所に車から降り立った大人が3人を叱りつけ、デイヴだけを車に乗せて連れ去ります。呆然と見送る2人。
警官を装った誘拐で、デイヴはもう帰ってこないと皆が思い始めた4日後、自力で脱出して生還。何が起きたかは語られないものの明らかで、デイヴはいたたまれない思いをしながら成長し、残る二人もデイヴを助けられなかった傷に苦しむことになります。

25年後、ジミーは十代で犯罪者集団のリーダーだったのが足を洗って雑貨店主になっています。足を洗うきっかけになった最愛の娘が惨殺され、刑事になっていたショーンと、容疑者としてのデイヴと、3人の運命が交錯することに…

それまでは真面目に暮らしていた危険な男ジミーがどう動くか。
ジミーの妻のアナベスは、犯罪者ばかりの一家の中でたくましく育ったしっかりした女性。デイブの妻シレストとは従姉妹どうしで、最初は似た印象があるのですが、どんどん対照的になっていきます。
一見恵まれているように見えるショーンも実は妻に去られ、警官として接する人間の愚かさに失望しています。旅先から無言電話をかけてくる妻と一体どうなるのか…

一筋縄ではいかない彼らの人生の暗黒と思いもよらない運命の巡り合わせが描かれた重量級の作品です。
悪人といえどもそれぞれ個性が明確なのと、男性が女性を熱愛する所、暗いトーンの話でもどことなしに生気が溢れているのがこの作者らしいですね。
たった1、2行で重要なポイントに触れてある箇所が幾つもあるので、読みとばさないようにしないと…
映画でこれは伝わっているのかなあ?

ショーン・ペンが出たということは悪党のジミー!と大抵誰もが思うのではないかと。でもケヴィン・ベーコン?あれ、こっちがジミーかな?だって弱々しいデイヴじゃないでしょう。育ちの良さそうなティム・ロビンスはショーンでは…
と思ったら、ケヴィン・ベーコンがショーンでした。なるほど、警官だからこっちもありですね。デイブにはティム・ロビンスの内面的演技が必要だったのね~。

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