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2005年10月24日 (月)

義経美形伝説の源流?

「現代語訳 義経記」中公文庫(高木卓・訳)

日本人が判官びいきしてきた義経像のもとはここにあるらしいので、読んでみました。

最初の方は平家物語ともだぶる内容ですが、義経はとにかく美形!と書かれています。
それに「おそろしい」とも何度も書かれているのは、庶民から見て強い武士というのが特異な存在だということでしょうか。
本当に怖いという書き方ではないれど、今の大河ドラマの義経よりはずっと誇り高く、猛々しく、ややエキセントリックともとれます。

弁慶との有名なエピソードなども確かにすべて原型は書かれています。
出会いは五条大橋ではなく、闘いが進むうちに清水寺で飛び回ることになっています。五条大橋は当時まだなかったそうですからね~。

けっこうびっくりな内容で、600ページもあるうちの三分の一までが腰越状の後、大河ドラマの今の辺り。
その辺までが短いのは一般に流布されている話を大体なぞったのかも知れません。
壇ノ浦などは簡単に他の人の口から語られて終わり、成功した武将として描きたいのではないらしい。

その後がむしろノリノリで、現代の小説のよう。
義経一行の流浪と逃亡、主な人物の最後の戦いがいきいきと繰り広げられるのです。
しんがりに残った忠信の戦いなんか長い長い~
陰鬱な感じではなく、俳優の見せ場のような感じでしょうか。
悲壮美のようなものを感じました。
政治には敗れたが忠臣に慕われた悲劇の貴公子に夢中になるという感じ…なのかな?

成立年代は鎌倉時代後期から室町時代初期のことで、西暦で言えば1330年前後ということになるらしい。
とっくに実朝も暗殺され、時代は移り変わっているのですね。
原型はもっと前に出来たかも知れませんが。
この熱っぽさはすごいなあ…こういう書き方なら、流浪する苦労もみじめでかわいそうというより悲劇的で面白いものになるんですね。

現代の小説というのとはちょっと違いますが、創作なので、カテゴリーに「小説」も追加しました。

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